主題歌

いままでのおはなし

第三話 巫女さんは野球がお好き!

 時渡白兎のおそるべき霊力によって懐柔されたユイナとその家族は、行く当てのない白兎の身柄を引き取り、居候させることに。晴れて思春期少女の部屋の押し入れへの潜入を果たしたこのウサギ男であるが、ぶっちゃけ身内なので特にドキドキ展開など何もないのである。
 願いを叶えると謳われるホワイトフェザーを求めるユイナに、何を願うのかを尋ねる白兎。ユイナの願いは想い人と添い遂げること、そして、魔法使いになることである。白兎は、後者なら叶えてあげられそうだと思い、大好きな子孫のために早速魔法の神髄を伝授しようとする。しかし、その子孫には「魔法使いったって、おじいさん陰陽師でしょ?なんかそれ、私の求めるところの魔法使い像とは大分違うのよね。ぶっちゃけ地味っていうか陰鬱っていうか」などといったキツい言葉をぶつけられてしまうのであった。

 それはともかく、いまだ部活動に属していないユイナは、女子野球部の手塚ミクに勧誘される。アキラ先輩のいるサッカー部のマネージャーになろうと思っていたユイナだが、手塚先輩の気品あふれる美しさに惚れ、心が揺れるのだった。更には、役者魂に燃えまくって熱苦しい小学校時代からの同級生薬師寺くんも、どさくさに紛れて演劇部へと勧誘してくる始末。更に、この熱苦しい薬師寺くんに、ユイナの小学生時代の黒歴史をアキラ先輩の前であれこれ暴露されてしまうのであった。
 果たしてユイナの恋の行方は!魔法使いになる夢は!そして、なんかいろいろごたごたあって部活動に青春ぶつけるどころではなくなり、やっぱり当分帰宅部なのか!ユイナの運命やいかに!

第二話 人を呪わば穴二つ。それでも呪わずにいられない!

 中学生になればみんな恋愛に夢中で、自分も自然にモテると思っていたユイナ。しかし、勇気を出して適当な男子に告ってみるも、「ブサイクが恋愛とかマジありえねぇ」とか、「つかお前男だろ?」とか、「とりあえず存在がキモい」など散々なことを言われる始末。傷心のユイナは両親に「なんで私をブサイクに作ったの!」などと言ってしまう。それに対してこの勝ち組の父親は「さぁ。ご先祖様がブサイクの呪いでもかけたんじゃない?」と、娘の怒りを適当にあしらうのだった。
 親戚が次々と独身のまま生涯を終えていく中、もはやユイナは手段を選んでいる場合ではなかった。なにがなんでもブサイクの呪いとやらを解かなくては!
 そんなおり、ユイナは新聞配達をする平安調なウサギ男に出くわす。雪のような狩衣と、ウサギの耳のような烏帽子という特徴的な装束は、かつて田舎のおばあちゃんちで見せてもらった古文書に描かれていたご先祖様と思われる人物のものとそっくりだった。ユイナは持ち前の、無駄に鋭い感応力で、ウサギ男を現代に復活したご先祖様そのものと察し、積年の恨みを晴らすべく、その辺に生えていた猫じゃらしを男に向ける。だが男は動じず、それどころかユイナが自分の子孫とわかるや否や、その日のバイト代を使ってユイナにお菓子やおもちゃを大量に買い与えるのだった。

第一話 普通少女現る!

『天空のプリンセスが放った矢を拾えば願いが叶う』
 現在、この町の小学生と、恋に恋する女子中学生の間で噂になっているおまじないである。
 魔法少女に強い憧れを持つユイナは、なんとしてでもその矢を見つけたいところであった。おしゃれ感覚で戦いに身を投じることが、イマドキ女子達のトレンドであったため、流行に乗り遅れまいとオンナノコは必死なのだ。
 しかしそんなことも大人たちは理解してくれない。勝負事においてはなにかしらの験担ぎをする、ユイナ憧れのアキラ先輩も、「遊び感覚で戦うな」と、女子達の心構えに関しては否定的であった。更には、あやしい黒服のおじさんにもいきなり「首を突っ込むな!」と言われる始末。ユイナは今日も普通の少女である。